三澤屋文俊堂

きっと何者にもなれない

君はとんかつDJを見たか?

豚をアゲるか客をアゲるかに大したちがいはねぇ!! どうも、ふぉふごれです。

今回は今日公開の映画「とんかつDJアゲ太郎」の感想記事です。ストーリーの根幹にも関わる話もするので、これから見る予定の人は今すぐブラウザバックしてくれよな!







ブラウザバックしたな? ここから先を読む人間はそういう「覚悟」が有るものとして扱うぞ?

まず全般の感想としては、満足、面白かった。
アタイは原作及びアニメ版のファンなんだけど、そういう層も十分面白いと思える実写化でした。

お話としては、原作の第1巻までの内容を再編集したものですね。これはもうしょうがない。原作は11巻まであるので、バカ正直に実写化してたらキリがないので、おおよそ100分に纏めるなら当然の選択です。俺だってそうする。
登場人物も原作からだいぶ絞ってましたけど、これも出しすぎると風呂敷を纏めるのに時間がかかるのでしょうがないです。もうちょっと時間に余裕があったアニメも原作の2巻までしか出来てないからね。
ただ、作中のおそらく最重要人物とも言える「DJビッグマスターフライ」を切ったのは賛否が分かれるかもしれない。原作ではビッグマスターのDJプレイを見てDJになろうと思った訳だからね。でもビッグマスターを出そうってなると、恰幅が良くてDJが上手い黒人のおじさんを探さなくちゃいけないので、名前だけ出すにとどめて要素をDJオイリーに統合するのも理解出来る。

キャスティングは全体的に良かったよ。全員原作の印象通りのキャスティング。特に加藤諒栗原類を三代目道玄坂ブラザーズの旅館と薬局に当てたのはジャストミート。
人物像が一番変わっているのは直接的な師匠格である「DJオイリー」ですね。原作だと食用油をそのまま飲むくらいの燃費が悪い痩せの大食いなんだけど、その要素はほぼカットされて、途中で何の説明も無くサラダ油の容器で謎の液体をラッパ飲みしてるぐらいでした。まぁ付け加えると余計な尺を食うからね。ただそのせいで、原作ではオイリーとアゲの師弟関係はWin-Winで結成されたんだけど、映画ではかなり利己的な人物になっていて、DJ教えるって言い出したのも自分が家を追い出されたのからアゲ太郎達のたまり場に転がり込む為で、当初は一切教える気が無いっていうちょっと嫌な人になってました。
でもこの改変も全編通して見ると納得の改変ではあるんですよね。原作ではアゲ太郎が初めて客前でDJをしたときに、ミスをオイリーの機転でなんとかリカバリーして、そこから名前が売れていくって話なので、オイリーとアゲが原作通りの関係性だとそのミスが100分ある映画全体の「転」にならないんです。
まぁオイリー自身もアゲ太郎のミスで推薦した自分までオーガナイザーの不興を買って一時はDJ廃業するまでに報いを受けたのでバランスは取れてるんじゃないですかね?
屋敷に関しては、奴は「大事なのはそこにグルーヴがあるかどうかでしょ」って男なので。原作通りと言えば原作通り。

結論
121話ある原作の要素を、11話までの話をベースにエッセンスを取り入れて良く纏めた良作。キャスティングなども原作の雰囲気を良く出している。
今回の映画では「勝又揚太郎」が「とんかつDJアゲ太郎」になるまでの物語だったけど、原作では男として、とんかつ屋として、DJとしてさらにビッグになっていくアゲ太郎が描かれるので興味が出た人は読んでくれよな! 今回の映画では尺が無かったり、そもそも登場するところまで話が進まなくて出なかったキャラクターにもいい奴がたくさんいるからな! 俺が好きなのは「MCいんき」だ!

余談
円山旅館の玄関先が最初に映った時、山形ベーカリーって書いてあったよね?