三澤屋文俊堂

きっと何者にもなれない

麒麟が来た人は太平記も見ませんか?

麒麟、私のTLでは大好評ですね。まあ私は駒が反りに合わなくて切ってしまったから評価する手段を持たないんですが。

 

まあそんな事はおいておいて、タイトルにもある通り麒麟が面白かったって人は同じ池端俊策氏が脚本を書いてる太平記も見てみませんか?

麒麟の感想をTLで見ていると信長と光秀の関係性とかが評価されてるようなんですが、太平記も結構毛色が似てるんですよ。

 

太平記、この関係性がエモいランキング![要検証]

1位 佐々木道誉足利尊氏
2位 後醍醐帝と足利尊氏
3位 楠木正成足利尊氏

さすが主人公、貫禄の1-2-3フィニッシュです。全盛期のホンダF1並ですね。
信長と光秀の関係性に一番近いのは2位の後醍醐帝と尊氏の方なんですけど、太平記内では1位がもう圧倒的に強すぎるので……

 

どうエモいかを3位から。
尊氏は正成の事を兄のように慕っていて、正成もそれを憎からず思っていたんですよね。でも正成は自分のことを出世させてくれた後醍醐帝の事を絶対に裏切ることが出来ず、最後まで本心は戦いたくないけど帝の為には尊氏と戦わざるをえないってのがエモい。

 

2位
尊氏から後醍醐帝へは常に愛なんですよね。愛しているから北条を滅ぼすし、愛しているから帝の政治は評判が悪いので自分に権力を割譲してくれって言っちゃうし、愛しているから自分の行動も許してくれるだろうと勝手をしちゃうし、愛しているから自分を討伐しろって勅命が出た時に何もかもがどうでも良くなって鬱になって引きこもっちゃう。
帝もそんな尊氏を理解しているから側近連中が尊氏を切れって言っても途中までは黙認するんだけど、最終的には可愛さ余って憎さ100倍で尊氏だけは絶対許さんマシーンになっちゃうのよね。
でもそういう尊氏絶対許さんマシーンになった状態でも尊氏は帝の事を愛してるのがエモ。

 

1位
いやもう最高ですよこれ。
尊氏は結構流され系主人公というか、中盤以降は特に本人としてはやりたくもないことが沢山有るんだけど、何故かその方面にむちゃくちゃ才能があったり、自分がやらざるをえないって責任感で仕事をしてるんですね。なので定期的に鬱になって引きこもったりするんです。そして佐々木はそんな尊氏を口では色々言いつつ必死にケツを蹴り上げたりして支えてくれるって関係性なんですね。うーん、好き。尊氏が迷ったりピンチになるとやってきてくれるんだよな佐々木は。
佐々木の『口では色々言いつつ』のところなんですけど、私がこのドラマで大好きなエピソードに、尊氏が北条への叛意を胸に京へ上るんだけど、そこへ合流した佐々木が「御辺にまず天下を取らせてからその後釜を狙おうと思ってる」とか言うってところがあるんですね。視聴者目線だと自分が天下を狙う気なんかさらさら無いのに。
あと佐々木側からの感情で大事なのは、佐々木は尊氏本人とその妻子の味方であってそれ以外は結構どうでもいいってとこですね。なので尊氏が鬱になって引きこもるとさっさと南朝方に寝返るし、尊氏が復帰すると裏切り直して南朝方をボコボコにするのもいい。やっぱ佐々木は尊氏のことが大好きなんやなって。
そんな感じで佐々木はパッと見あっちへ行ったりこっちへ行ったりフラフラしてるんだけど、尊氏は常に佐々木のことを信じてるのを隠さないのもいいね。完全に相思相愛だよこの二人。
あと、この二人本名が同じ高氏*1なんですよね。ドラマだと同じ読みの人間が2人いると紛らわしいので佐々木は常に佐々木or佐々木判官or判官って呼ばれるんだけど、ここも運命感じていい。

 

尊氏が北条へ謀反するまで20話かかったり、実際に南北朝時代に突入するのが終盤10話だったりと結構スローテンポなんだけど、それもまたねっとり人間の関係性を描いているので、人間の関係性が好きな人類にオススメ。
ただ問題点は視聴手段がけっこう限られていて、アマゾンとかUネクストにも有るけどなぜか途中まで*2しかしか無くて、追加中では有るはずなんだけど今すぐ全話は配信だと見れないのでレンタルDVDぐらいなんですよね。ここが難点。

*1:尊氏は後々後醍醐帝から一字貰って改名

*2:2021/02/08現在43話まで